防犯カメラの中に、「PTZカメラ」と呼ばれるものがあります。PTZカメラとはどのようなカメラなのでしょうか。「P」、「T」、「Z」の意味と機能を解説します。さらに、PTZカメラの特徴も紹介します。以下の情報を参考にすれば、どのようなシーンに適しているカメラかわかるはずです。防犯カメラ選びの検討材料にしてください。
PTZカメラとは何か?
PTZカメラは、レンズを上下左右に動かせる機能と拡大、縮小を行える機能を併せ持った防犯カメラです。「Pan」、「Tilt」、「Zoom」の頭文字をとって、「PTZ」と名付けられています。「Pan」、「Tilt」、「Zoom」の意味は以下の通りです。
・Pan:カメラのレンズを左右に動かせる
・Tilt:カメラのレンズを上下に動かせる
・Zoom:拡大と縮小を行える
つまり、1台で「Pan」、「Tilt」、「Zoom」のすべてを行えるカメラをPTZカメラというのです。PTZカメラには、どのような特徴があるのでしょうか。
PTZカメラの特徴を解説
PTZカメラの特徴として、以下の点が挙げられます。
ドーム型のカメラ
PTZカメラは、基本的にドーム型をしています。商業施設などの天井に取り付けられている半球型の防犯カメラというと、わかりやすいかもしれません。ドーム型の理由は、カメラを上下左右に動かすためです。この形にすることで、撮りたい場所を自由に撮影することができます。反対に、定点の撮影は得意としていません。定点用に用いると、PTZカメラのメリットが失われてしまいます。
遠隔操作が可能
PTZカメラは、専用コントローラーを使って遠隔操作を行えます。遠く離れた場所から、「Pan」、「Tilt」、「Zoom」を行えるのです。1台のコントローラーで、複数のPTZカメラを操作することもできます。また、最近では、スマホで操作できるPTZカメラも登場しています。ただし、操作とレンズの動きには、多少のタイムラグが生じます。意のままに動かすことは難しいかもしれません。
プリセットポジションの設定で操作は簡単に
操作とレンズの動きにタイムラグが発生することからわかる通り、PTZカメラの操作には多少のコツがいります。細かな操作に自信を持てない方は、プリセットポジションという機能を活用するとよいでしょう。プリセットポジションとは、あらかじめカメラを向ける位置を決めておける機能です。この機能を活用すれば、操作が苦手な方であってもPTZカメラを使いこなせます。
ネットワークカメラの普及で設置できる場所が増えている
ネットワークを介して映像を伝送できるPTZカメラが増えています。このようなカメラを、ネットワークカメラといいます。ネットワークカメラの特徴は、ハブなどのPoE給電機能を利用すれば、電源を確保できない場所でも設置できることです。以前に比べ、PTZカメラを設置しやすくなっています。
PTZカメラは「Pan」、「TilT」、「Zoom」をできる防犯カメラ
レンズを上下左右に動かせて、拡大・縮小できる防犯カメラをPTZカメラといいます。商業施設などの天井に取り付けられているドーム型のカメラをイメージするとわかりやすいはずです。レンズを自由に動かせるので、広範囲の撮影に向いています。反対に、定点の撮影には向いていません。操作は、専用のコントローラーやスマホを使って行います。多少のタイムラグが発生するので、意のままに撮影することは難しいかもしれません。最近になって、ネットワークカメラに分類されるPTZカメラが普及しているので、設置できる場所が増えています。1台で広範囲を撮影したい場合は、PTZカメラを検討するとよいでしょう。